マインドフルネスの実践

ストレスフルな毎日に“今ここ”を取り戻す方法

気がつけば、頭の中が未来の不安や過去の後悔でいっぱいになっていませんか?
「なんであんなこと言っちゃったんだろう?」「また失敗したらどうしよう…」そんな風に気持ちがざわざわして、今やるべきことに集中できない。そんなとき、心を“今ここ”に戻すための方法が、マインドフルネスといわれています。

私は心理カウンセラーとして日々クライアントさんの悩みに寄り添っていますが、「頭の中がうるさい」「考えすぎて眠れない」のようなぐるぐる思考を訴える人はとても多いのです。マインドフルネスは、そんな人にとって一つの手がかりになるかもしれません。一見難しそうですが、練習しているうちに心を鎮めるためにこんなに簡単な方法があったなんて、と目からうろこなんてこともありますよ!

■ マインドフルネスとは何か?

マインドフルネス(Mindfulness)は、「今この瞬間に意識を向けて、評価や判断をせずに、ありのままを受け入れる心の姿勢」ということです。

もともとは仏教の瞑想にルーツを持つ考え方ですが、近年では宗教的な色を取り除き、医療や心理療法、教育の現場などに幅広く応用されています。

たとえば、マサチューセッツ大学のジョン・カバットジン博士が提唱した「マインドフルネスストレス低減法(MBSR)」は、慢性的な痛みやストレス、不安障害の治療プログラムとしても有名ということです。

■ なぜ今、マインドフルネスが必要なのか?

私たちは1日に数万回の思考をしています。
しかも、その多くが「過去か未来」に向いています。つまり、あなたの身体はここにいても心は「今ここ」にいない状態です。こういうと、なんとなくピンときますか?

情報が溢れるこの時代、私たちは注意をどこに向けていいのか分からず、常に“思考の波”に巻き込まれているのです。その状態が続くと、心(脳)はどんどん疲弊していくんですよね。

マインドフルネスは、この“思考の自動運転”からいったん降りて、「今、自分が何を感じているか」「身体はどんな状態か」に意識を戻してあげる、心の休憩法なのです。

■ 初心者にもできるマインドフルネスの実践法

「瞑想」と聞くと、お寺?座禅?なんか難しそう…何時間もじっと座っていなければならないのかな?といったようなイメージを持つかもしれません。でも、実際のマインドフルネスは驚くほどシンプルで短時間でも効果があるのがポイントです。

◎ 1分間マインドフルネスのやり方

  1. 静かに座る(椅子でも床でもOK)
  2. 目を閉じるか、ぼんやりと一点を見つめる
  3. 自分の「呼吸」に意識を向ける
  4. 「吸ってるな」「吐いてるな」と感じるだけ
  5. 雑念が浮かんできたら、「あ、考え事してたな」と気づき、また呼吸に戻る

ポイントは、「うまくやろう」としないこと。慣れないうちはもやもやとした思考が浮かぶのは当たり前なので、そういった思考が浮かんできても、それを否定せずにそっと戻ってくる。それをただ繰り返すだけ。それ自体がマインドフルネスということです。

■ マインドフルネスの効果

マインドフルネスを続けることで、こんな変化が期待できます:

  • ストレスの軽減
  • 不安感やイライラとの付き合い方が変わる
  • 集中力や生産性が上がる
  • 睡眠の質の改善
  • 衝動的な反応を抑え、落ち着いて行動できるようになる

私が担当したクライアントさんの中にも、「夜中に目が覚めたとき、深呼吸することで再入眠しやすくなった」「職場でカッとなりそうなときに“今の感情”を観察することで冷静になれた」という声もありました。

実は、アメリカの軍隊で使われているといわれる「2分で眠る方法」も、体と呼吸に意識を向けるという点では、このマインドフルネスと共通しているのです。眠りだけのことでいえば、顔の筋肉をゆるめ、肩を脱力し、呼吸を整えるだけ。眠ろうとせずいまを感じることでストレスから解放され眠りが自然に訪れるのかもしれませんね。

私もなかなか寝付けないときなどは、この方法を実践しています。

■ よくある誤解と注意点

  • 「無になろう」としすぎると、逆に苦しくなります
  • うまく集中できなくても、それに気づければOK
  • 苦手だと感じたら、まずは3呼吸だけでもいい
  • 「リラックスしなきゃ」と思わないことも大事(結果としてリラックスすることはある)

マインドフルネスは、がんばらなくていい練習です。
「ぼーっとしてたな」と気づけたら、それも一歩前進なのです。どうですか?意外と簡単ですよね?

■ カウンセリングの現場での活用

カウンセリングの中でも、「思考に飲まれやすい人」には、まず身体感覚に戻ることを勧めることがあります。

「呼吸に意識を向ける」
「手のひらの温度を感じる」
「足裏に重力を感じる」——

ほんの数秒でも、自分の“いま”を観察することで、思考のループから抜け出せる瞬間があるんですね。

私自身、気持ちがざわざわしているとき、ちょっと椅子に深く座り直して、1分だけ呼吸を眺めるようにしています。マインドフルネスって、誰にとっても使える“心のツール”なんだと思います。

■ 最後に:今日からできること

「マインドフルネス=難しいこと」ではありません。
むしろ、「ただ、気づく」「ただ、戻る」だけのシンプルな行為です。

今日の夜、布団に入ったら、3回だけ自分の呼吸を見つめてみてください。
心が少しだけ、静かになるのを感じられるかもしれません。

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