人間関係は“距離ゲー”。心理カウンセラーとして思うこと

人間関係

「人当たりのいい短気者」と「ぶっきらぼうな粘り強さ」

ちょっと個人的な話になりますが、人当たりのいい同居者は、最初は人が寄ってきます。
感じもいいし、柔らかいし、「優しそうな人だな」と思われるタイプです。

ただ、長年の付き合いだからこそ私は彼の本質を知っていますが、実をいうと短気で人嫌いです。
少しでも人が彼の心に土足で踏み込んだとたん、シャッターが下り、時には周囲を圧倒させるような暴言を吐くことも…😅

一方で、私はというと、
短気そう、ぶっきらぼう、合理的で冷たそう、といった印象を持たれがちですが、
わりと気が長い方らしく、人からよく「誤解されやすいタイプだね」とか、
「なんか最初は怖いと思ってたんだけど話しやすい」などと言われることが多々あります。

若いころは愛着パターンにクセがあったため、簡単に人を切ることもありましたが、年を取ってだいぶ落ち着いたこともあり、多少のことでは簡単に人を切らないし、
関係を続けること自体、今では全く苦ではありません。

私自身、人を見る目があるほうだ、などと自負していますが、勘違いしていることもたまにあり、
人の印象ほど雑で当てにならないものはないな、とよく思います。

「優しそうな人」がしんどくなる理由

第一印象というのは、
その人の“本質”ではないことのほうが多く、その人のアウトプットの仕方に過ぎません。

殆どの場合、他人はそれを自分に都合のいいように勝手に解釈して、
「優しそう」「怖そう」「いい人」「いじわる」とラベルを貼っているだけです。

その人の本質は実際の話、その人自身にしかわからないことがほとんどです。

問題は、このズレが人間関係のストレスを生むことです。

この人はなにをいっても許してくれる「優しそうな人」に期待して近づいたのに、
思ったより冷たかったり、短気だったりすると、
人は簡単に「裏切られた」と感じてしまいます。

でも実際には、裏切られたわけではなく、
最初の見立てが雑だっただけ、ということがあります。

この“期待と現実のズレ”が、
人間関係のしんどさの正体だったりします。

人間関係は“距離ゲー”

人間関係は、努力して『深める』ものだと思われがちです。でも本当は、適切な距離を『保ち続ける』ことの方が、ずっと高度で、大切な技術なのかもしれません。

言ってしまえばズバリ、人間関係は“距離ゲー”でしかありません。

近づきすぎれば、相手の嫌な部分も見えてきますし、
踏み込みすぎれば、相手の境界が壊れ地雷を踏んでしまいます。

逆に、距離を取りすぎれば、人に名前を覚えてもらうことも難しく、
そもそも関係が成立しません。

その中で、多くの人がやりがちなのが、
「好きか嫌いか」で関係を判断しようとすることです。

でも実際には、
好きでも嫌いでもない関係の方が、ずっと安定します。

感情が大きく動く関係ほど、
期待も膨らみやすく、その分ズレたときの反動も大きい。
友達関係や、恋人や夫婦の関係、
気づいたら小さないさかいが絶えなくなってしまうボタンの掛け違いは、
この、距離感が影響していることが殆どではないでしょうか?

あ、もちろん、好きでなければ付き合ってもいませんし、結婚もしていませんね。
ただ、好きという感情を持ち続けるためには互いに努力や妥協を重ねることにはなります。

言ってみれば、それが「距離感」ということではないでしょうか?

淡い関係が長く続く理由

本当に深い信頼関係というのは、必ずしも「熱さ」を必要としません。

古くから言われる「君子の交わりは淡きこと水の如し」という言葉の通り、どこまでも透明で、サラリとした付き合いこそが、実は最も贅沢なのではないでしょうか?

期待しすぎず、依存もせず、ただ相手の存在をきちっと認めている。そんな「淡さ」を共有できる相手に出会えたなら、それはとても大人な関係で、かつ双方にとって居心地のいいことではないでしょうか。

逆に、濃厚で余白のない関係は、どこかで必ず無理が生じます。

『わかってほしい』という願いは、裏を返せば、相手に自分の心の鍵を預けてしまうようなものです。その鍵を相手が思うように扱ってくれなかったとき、私たちは勝手に傷つき、憤ってしまう。でも、水のような淡い関係なら、鍵は自分で持ったまま、隣で笑い合うことができるのです。

距離の取り方でストレスは変わる

だからこそ、無理に距離を縮める必要はありません。 適度な距離を保ち、相手の領域を侵さない。ただそれだけで、人間関係のストレスは驚くほど静かに凪いでいきます。

距離の取り方ひとつで、人付き合いは思っているよりもずっと楽に、そして自由になれるものです。 べったりと貼り付く絆よりも、水のようにさらさらと流れる絆。

そんな「淡さ」を味方にできたとき、私たちはようやく、誰かと一緒にいることを心から楽しめるのかもしれません。

近すぎて苦しいときもあれば、遠すぎて寂しいときもあります。そのちょうどいい『間合い』を、一緒に探してみませんか。

「君子の交わりは淡きこと水の如し」という言葉は、まさに橘さんが提唱する「ゆるいネットワーク(弱いつながり)」の重要性とリンクします。ベタベタした村社会的な関係から抜け出し、淡々と自立して生きることの肯定になります。


私、ルーム718は、
毒親育ち、機能不全家庭、
愛着や発達特性による対人関係の生きづらさ、
恋愛のお悩み、という多くの人が抱える人生の課題を相談者様と整理してきました。

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