キッチンカウンターを見て、ちょっと悔しくなった朝
今朝、同居者の部屋に物を取りに行った。
すると、いつの間にか引くほど立派なキッチンカウンターが出来上がっていた。

補足すると、今私たちが住んでいるのは、他界した同居者の両親が建てた家です。
ここに移住してくるまで、まあいろいろあったのですが、今回は割愛します。
3階建てのこの居住空間をセルフリノベして、私は2Fを使い、
同居者は自分が子供のころに使っていた3Fの部屋を使っています。
DIYが得意な同居者は、仕事が休みの日のこぎりの音やくぎを打つ音が聞こえてくるな(かなりの騒音)、と思っているといつのまにか3Fの部屋があちこち改良されていて、
このキッチンカウンターを含め、どんどんグレードアップしていっている。
黒いコーヒーメーカーまで置かれていて、単身者のおしゃれ居住空間が爆誕しているではないですか。
私がガスコンロを持ち込んで作った、生活感アリアリのキッチンとは雲泥の差でちょっと悔しい。
私たちの共同生活は20代前半から始まった
私と同居人の共同生活は、私が20代前半の頃から始まった。
途中にはいろんなことがあった。くっついたり、離れたり。また戻ったり。
時には私の恋人も一緒に、三人で暮らしていた時期すらある。
今こうして文字にすると、なかなかのカオスだ。
人が聞いたら、「え?変な人たちだね」「常識とか道徳観とかないの?」
発達特性もあり、世間でいうスタンダードの枠からちょっとはみ出た人生を送ってきた私たちは、いわゆる「普通」の外側を割と平気で歩いてきた人間たちでもあったりする。
だから今さら、自分たちの生き方に説明書をつける気もない。
事情があって、とか。本当はこうで、とか言い訳する気もないし、
たぶんそういう話でもない。
恋人でも家族でもない、説明しづらい関係
私たちは恋人でもない。
家族でもない。
男と女の関係かと言われたら、まったくもってそれも違う。
私はセクシャルマイノリティで、彼はストレートの男性。
世間が分かりやすく用意している関係性の名前を探しても、たぶん見つからない。
だが、実はこんな組み合わせで同居したり結婚したり、
いろいろな事情があってそこにいきつく二人の関係は割とあるあるなのかも。
東京からこんな片田舎に移住してきて、最初のころはいわゆるステレオタイプな価値観に私たちの関係を押し込めようとする人がほとんどで、
それに対してたまに不快感を感じたりすることもありましたが、説明することの気だるさから、
その人たちがどう噂しようと勝手にすればいい、と、一切説明もしなくなりました。
二人でDIYして作った店と暮らし
今、私たちが暮らしている建物の1Fはカフェ的な空間になっている。
店であり、家であり、生活そのものみたいな空間。
そしてこれも、二人でDIYして作りました。

元々あった壁の下地を活かして、その上に木を打ち付けたり、板を貼ったりしながら、少しずつ空間を作っていった。
一から建てたわけじゃない。
でも既製品を並べれば終わる話でもなかった。

「テーブルとイスは?」
「いつになったらそこ仕上がるの?」
「なんでそうなるんだよ🚨」
店を改装している期間、そんな会話を何度したか覚えていない。
同居人とは何度も口論した。
イライラした。
すべてを投げ出して東京に帰りたいと思う日もあった。
DIYという言葉は聞こえがいいけれど、実際は木くずと疲労と険悪な空気の山だった。
でも時間をかけて、ようやく出来上がった。
今の私たちの店であり、家であり、生活の場所が。
今思うと、あの店は木材だけで出来ているわけじゃなかった。
木材の端材を分けてもらいに出向いて行ったり、
理想の壁を作るため木を打ち付けて、天井を張り、照明を吊って、壁を少しずつ変えていった。
でも実際に貼り付けていたのは、資材だけではなく、
イライラした時間も、店の改装をめぐってマクドナルドで大喧嘩した日も、たぶん全部この壁のどこかに混ざっている。
だから今となってはこの家の建物全体が二人の資産であり、思い入れの強いものになった。
移住者はちょっと疑り深いくらいでいい
店を作ろうと思った時、最初に相談したのは地元の元銀行マンのコンサルタントだった。
引っ越してきたばかりで、この土地のことも人のことも私は何も分かっていなかった。
その時、市には無利子・無担保で500万円ほど借りられる制度があった。
当時の私はあまり深く考えず、今思うとかなり自分に都合のいいように曲解して、「利子がないならいいんじゃない?」くらいの感覚だった。
話が進んでおそらくですが、そのコンサルの人の息がかかっている工務店が入ることになった。
すると、話の雲行きが次第におかしくなっていくのを感じた。
入り口を作るのに100万円は必要。
あれも必要。
これも必要。
どんどん話が大きくなっていく。
私の目論見だと、500万借りたとしたら、リノベーションにかける費用は200万以内に抑え、
インテリアを整えたり、余った分は返済に充てようということだったのですが、
どうやら、工務店はその500万を予算に帳尻を合わせキチキチに使わせようとしてきたのです。
これは…騙される…。直観でそう思った時に、即座にコンサルに電話を入れて、
融資の話を白紙に戻しました。
もちろん全部がそうとは言わないのですが、
でもここに移住して田舎移住の解像度がともかく上がりました。
良い社会勉強です。
地方は人口が少ない分、みんな生活がかかっている。
仕事を取るのに必死だ。
だから他県から移住してきた人間なんて、良くも悪くも目立つ。
何も知らない人間は、時々すごく狙われやすい。
実際、店が開店するや否や、宗教の勧誘、マルチビジネスの誘い、
ありとあらゆる下心を持った人たちが近づいてきました。
だからもし移住を考えている人がいたら、このブログから一つだけ持ち帰ってください。
最初は少し疑り深いくらいでちょうどいい。
ニコニコ近寄ってくる人には多少なりとも下心があるものです。
おかげ様で、私たちは借金をすることもなく、
誰かの魔の手に落ちることもなく、
総工費100万程度で家のリノベから店のDIYすべてを完成させたのでした。
ソウルメイトという言葉なんか気恥ずかしいものです
まあ、こういうことを言うと陳腐に聞こえるかもしれない。
ソウルメイト。
若い頃の私なら、たぶん鼻で笑っていた言葉だ。
でも長い時間を振り返ると、恋人とも家族とも違う、説明しにくい縁というものは確かにある気がする。
必ずしも気が合うわけじゃない。
分かり合えるわけでもない。
むしろ腹が立つことの方が多い。
今朝だって、勝手にいい感じのキッチンカウンターなんか作りやがってと思った。
だけど気づけば20代前半から今まで、くっついたり離れたりしながら、まだ隣にいる。
この歴史の積み重ねだけは、たぶん誰にも真似できない。
足りない二人が作った共同体
私たちは、たぶん最初から綺麗な形の関係ではなかった。
コミュニティ内では友達も多く楽しくやっていたと同時に、
社会に適応しづらく少し生きづらかった。
私もそうだし、同居人もそうだ。
お互い発達特性のグレーな部分もあるし、愛着の問題もある。
人との距離感や、この世界の歩き方が少しだけ不器用だった。
だから一人で生きていた頃は、いつもどこか無理をしていた気がする。
たぶん私たちは似たもの同士だった。
ただ、欠けている場所が同じじゃなかった。
同じように生きづらくても、苦手なことも得意なことも違った。
だから一人では足りなかった二人が、なんとなく身を寄せ合って、試行錯誤しながら作った共同体が今なのかもしれない。
家族でもなく、恋人でもなく、普通の形でもない。
でも私たちなりに、長い時間をかけて作った生活だ。
気づけば彼も60代になった。
私たちもそれなりに歳を取った。
この先どうなるのかなんて分からない。
でも、なんとなく思う。
最後はきっと、お互い死に水を取るような関係になるんじゃないかって。
そう考えても、不思議と違和感がない。
欠けた部品同士で作った、小さな共同体。
案外こういう関係も、悪くない。
私、ルーム718は、
毒親育ち、機能不全家庭、
愛着や発達特性による対人関係の生きづらさ、
恋愛や人間関係のお悩みについて、相談者様と一緒に整理してきました。
今回の記事のように、人間関係には恋人、家族、友人だけでは説明できない形もあると思っています。
「なぜか生きづらい」
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そんな言葉にしづらい悩みでも、あなたの立場に立って誠実にお話を伺います。
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心理カウンセラー|ルーム718として活動しております

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